ハードディスク(HDD)のセクターサイズについて
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ハードディスクに記録されるデータは、「セクター」と呼ばれる単位で書き込まれています。 各セクターには一定量のデータが格納されます。 セクターとは、ハードディスクに記録する単位・区切りのようなものと考えてください。
512バイトセクターから4Kバイトセクターへ
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従来、1つのセクターに書き込めるデータ量は、512バイトに固定されており、それ以上に大きいデータは複数のセクターに分けて書き込まれていました。 512バイトであったハードディスクの物理セクターサイズは、大容量化にむけて今後は容量効率の高い4Kバイトセクターが主流になります。
2006年時点で、ハードディスク装置(HDD)関連の業界団体International Disk Drive, Equipment, and Materials Association(IDEMA)は、HDDの標準セクターサイズを512バイトから4096バイト(4Kバイト)に拡大することを発表してます。 セクターサイズを4KバイトにするとHDDのデータ密度を容易に高められ、ユーザーに提供可能なストレージ容量を増やし、記憶容量当たりのコストを下げることができるようです。 つまり、大容量のHDDを格安で提供できるようになるということです。
年々、大容量のハードディスクが開発され発売されています。 2005年時点のHDD容量の限界は約500GBでしたが、2010年時点では約2000GB(2TB)と、5年で約4倍になっています。 2011年6月時点で約3000GB(3TB)のHDD「Western Digital WD30EZRX 3TB」(4Kバイトセクター)が1万円を割りました。 2009年ごろまでは512バイトセクターのHDDも多かったのですが、今後は4KバイトセクターのHDDが主流になります。
4KバイトセクターHDDの導入とパフォーマンスの問題
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ハードディスクが、4Kバイトセクターの物理フォーマット「Advanced Format」を採用している場合は、Advanced Format非対応のWindows XP以前のOSではフル容量が使えません。 また、OS起動ドライブとして利用するには、ハード面でもUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)をサポートするマザーボードやインタフェースカードが必要になります。
また、物理セクターが4KバイトのハードディスクにWindows XP 以前のOS にてパーティション作成した場合に、パーティションと物理セクターの配置の不整合が原因でランダムアクセス速度が低下する問題が発生する可能性があります。 これはパーティションの作成時の問題で、最適なパーティションが作成されていればWindows XPからの読み書きであっても適正なパフォーマンスで動作します。 逆に、最適でないパーティションが作成されているときには、Windows 7、Windows Vista からの読み書きであってもパフォーマンスが低下します。
2TBはパソコンが認識できる容量の「壁」にあたるので、古いパソコンの場合は2TBより多くは正しく認識できない可能性があります。 古いパソコン(Windows Vistaより前)を利用している人は、ソフトウェアとハードウェアの両面において、4KバイトセクターHDDが導入しにくい状態でしょう。
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