パソコンパーツ ハードディスクドライブ(HDD)
-
ハードディスクとは、磁性体を塗布した円盤を高速回転させ、磁気ヘッドを移動させることで、データの読み書きを行う補助記憶装置のことです。 ハードディスクは、パソコンのデータを保存する入れ物、または引き出しといえます。 メモリより記録できるデータの量が多く、電源を切っても記録したデータは消えません。
年々、大容量のハードディスクが開発され発売されています。 2005年時点のHDD容量の限界は約500GBでしたが、2010年時点では約2000GB(2TB)と、5年で約4倍になっています。 2011年6月時点で約3000GB(3TB)のHDD「Western Digital WD30EZRX 3TB」が1万円を割りました。
以降もこの調子で容量が増え続けるのか、HDDに代わる新しい製品が開発されるのかは分かりませんが、扱うデータ量の増加に伴い記憶可能な容量も増えていくことは間違いないでしょう。
HDDの種類(規格)について
-
HDDの種類にはIDE(パラレルATA)対応とシリアルATA対応が存在します。 古いパソコンでは、IDEのみに対応したマザーボードが使用されており、IDE対応のHDDを内蔵していることがあります。 2007年、2008年くらいを境に、シリアルATAが主流となっているので、中古パソコンではIDE対応のHDDのみが利用可能なこともあります。
IDE対応のHDDには、マスターとスレーブの概念があり、HDDのジャンパーピンを調節してマスターとスレーブを設定します。 IDE対応HDDのマスターとスレーブの設定に関しては、自作パソコン入門の「HDDの取り付け・交換」をご覧ください。
ハードディスク(HDD)の性能・容量
-
HDDの性能は、「容量、プラッター回転速度、キャッシュ、インターフェース」により判断します。 「記憶容量」は、HDDに記録できるデータ量で、大きいほど多くのデータを記録できます。 「プラッター」は、HDD内部にあるデータを記録する円盤で、速く回転するほど処理能力は高くなります。 「キャッシュ」は、処理する際の一次記憶領域で、大きいほど処理能力は高くなります。 「インターフェース」は、シリアルATAなどの規格・種類を指します。 「5400rpm 2TB 64MB SATA/3」を例に挙げると、「5400rpm」が、プラッター回転速度、「2TB」が記憶容量、「64MB」がキャッシュ、「SATA/3」がインターフェースです。
古いパソコンの場合は、BIOSが古いために大容量HDDの全容量を正しく認識できないことがあります。 特に、2TBはパソコンが認識できる容量の「壁」にあたるので、2TBより多くは正しく認識できない可能性があります。 詳しくはハードディスク(HDD)のセクターサイズをご覧ください。 「古いパソコンにHDDを増設したけど全容量を認識しない・・・」という事態にならないように注意してください。
データを消失しにくいHDD構成
-
まず、システム用ドライブには、OSを入れても多少の余裕がある容量のHDDを用意します。 次に、データ保存用ドライブには、必要なデータが保存できる容量のHDDを用意します。 最後に、Cドライブ(システム用)とDドライブ(データ保存用)を構成します。 システム用とデータ保存用のHDDを分けることで、システムドライブの負担が減り、システム全体のパフォーマンスが向上します。
もし、Cドライブに設定したHDDが故障したら、CドライブのHDDを交換してOSを再インストールできます。 新しいパソコンを購入する場合は、Dドライブをそのまま新しいパソコンに付け替えることができます。
Dドライブが故障する前に他のHDDにDドライブのデータをコピーしてください。 Dドライブのデータは、そのまま丸ごと他のHDDにコピーできるので便利です。
ハードディスクは消耗品であり、寿命があるので注意が必要です。 ハードディスクが突然、完全に故障することは稀で、ほとんどの場合は故障の予兆があります。 まずは部分的に不良セクタが発生したり、ディスクアクセスが遅くなったり、「ガリガリ」と音を発したりするようになります。 ハードディスクが故障する兆しを見せ始めたら、大切なデータはバックアップしておいた方がよいでしょう。
-
» 次ページ「ソリッドステートドライブ(SSD)」